みんなこの漫画が存在してるって思ってるみたいだけど、俺はこの漫画は実は存在していないんだと思う。ジャンプ読んでる時に目に入ってるような気はするけど、それはあくまで気のせいであって、集団白昼夢に近いものがあるんだと思う。存在しない漫画にランキングを付けるっていうのはおかしいことだと思う。
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みんなこの漫画が存在してるって思ってるみたいだけど、俺はこの漫画は実は存在していないんだと思う。ジャンプ読んでる時に目に入ってるような気はするけど、それはあくまで気のせいであって、集団白昼夢に近いものがあるんだと思う。存在しない漫画にランキングを付けるっていうのはおかしいことだと思う。
終盤の展開は志村貴子史上稀に見る怒涛のまとめ上げであった。物語のたたみ方に関しては今まで(比較的)弱点とも思っていたが、着地点を最初から決めて描けばこういう芸当も出来るんだなと、驚かされた。今まで百合漫画を面白いと思ったことは無くて、この漫画も正直今までは『放浪息子』と比べて期待せずに読んでいたが、この完結に際して、初めて説得力のある面白い百合漫画に出会えたと感じた。また、終盤の感情的な演出に関しては、連載開始当初の志村には出来ない領域にあったと思われるが、志村の能力の向上によって今回実現されているということは特筆に値するだろう。
新人だが、画力や演出は及第点以上。何より構成が(今のところ)圧倒的に上手くて、傑作の可能性を(今のところ)秘めている。この新人、買いやな。
カメラアングルが卓越している。特に、雑踏の中に溶け込んだ患者達を写したコマをみると涙が出そうになる。
(あらすじ)
「女の子になりたい男の子と男の子になりたい女の子」の物語は、10年を経て、ここに完結した。小学5年生だった主人公たちは年を重ね、思春期に振り回され、変化に戸惑い、高校を卒業したところで「放浪」は終わりを告げた。彼らは大人になり、各々の決着を迎えた。
同時に、志村貴子の卓抜した漫画表現は一つの頂点に達した。時空を歪め、巧みに配置されたコマ、視線誘導。極限まで洗練され、削ぎ落とされた台詞。距離を取られ、突き放しているとさえ感じられた眼差しは、いつしか彼らの傍に寄り添っていた。枠に収められた彼らの言葉から染み出す感情は、枠の外にまであふれ出していた。
『放浪息子』は、終わった。毎月12日が楽しみだったあの日々は、二度とやって来ない。
批判が憚られる類の漫画ですが、今ひとつ漫画媒体の長所が生かされた演出が少ないように見えて、だから小っちゃくまとまってしまっているように思える。